ミュージカル教育 ~色んな価値観・意見がある当たり前~

虹っ子就業写真

「この夏休みの目標は?」子供たちに時々聞く言葉です。

「大人になったら何になりたい?」には何となく曖昧で答えに困る子供達も、すぐ目の前に迫ることだと具体的に応えてくれます。

ただティーンのメンバーに多いのですが、答えが完璧すぎて、こちらがかしこまってしまうことがあります。

人間関係が気まずくなるのが怖い!

自分のことを変に思われるのが怖い!

いじめられるのが怖い!

学校生活で色んな経験を積んできて、面と向かって本音をぶつけるよりも「無難なこと」を発言するようになる、とてもセンシティブな時期の子供たちにミュージカルを通じて伝えたいこと。

それは「色んな価値観、意見があって当たり前なんだよ」ということ。

多様な価値観

レッスン風景ちょっと話は変わりますが、日本というのはつくづく島国で、すぐ身近にいる人のことが気になり過ぎたり、人と違う発言や表現をする者を受け入れない民族としての性質をどうしても持っているように思います。私の母はユニークな発想や生き方が(他人に迷惑をかけずに自立した社会の一員として一定のレールを歩んでいるにも関わらず)叩かれることに疲れ、10年以上前にロンドンに移住してしまいましたが、子供たちの空気を読む能力とオリジナリティーの増長をどうやって両立させられるか、は、表現を育成する大人たちの命題じゃないかなと思う事があります。

 

お芝居のいいところは「自分じゃないものになれるところ」です。「わたし」だったら言えない事ややれない事も、例えば「ケイティなら」「アランなら」「エスター先生なら」と考えて表現してもらうことで、私達スタッフは子供たちを良く知ることができます。シーンを深めるためのセッションも家族役のグループ、学生役のグループなどでどんどん行い、場合によってはみんなから出てきた言葉を使って台本をもっと刺さるセリフに変えることもあります

作品作り

休憩時間「ケイティ!」の作品作りでも、その前の「スノーマン」や「ALONE」の作品づくりでも意見の衝突を避けて無難な表現に落ち着くよりも、自由にこのシーンを創ろう!と子供たち同士で話し合う機会をつくってきました。子どもたちも真剣なので、ときには話題がずれていったり、意見が完全に対立することもあったけれど、相手を嫌いになったり卑屈になってしまう事はありませんでした。じゃあどうしようか!と年上のメンバーを中心に全体が考えることで、お互いに価値観が違う事を理解して前に進むのです。

 

 

 

 

まとめ

今日はちょっと真面目なコラムとなってしまいましたが、これからもっと国際社会として変わっていくだろう日本を生きる子供たちがオリジナリティーを持ちながら、集団生活における人間力も併せ持って、それぞれが自分の足で面白い人生、たくさんの引き出しを持った大人として人生を拓いていかれるよう、ミュージカルを通じてできることが何か、スタッフ一同、考え続けて全力で取り組みたいと思います!

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